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数理モデル

数理モデルとは、対象とする現象を再現する数学的記述を意味します。

モデルとは模型を意味しますが、数理モデルの目的は対象とする現象を数学的に再現する事にあります。したがって優れた数理モデルは、対象とする現象に関与するメカニズムを無駄なく抜けなく数式化する必要があります。逆に言うと、数理モデルは必要以上に複雑化したり余分な機能を含んでいてはいけません。数理モデルの目的は対象の現象のみを数学的に記述することなので、対象の現象に関連しない部分は可能な限り省く必要があります。対象となる現象を引き起こす元となっている重要で効果的なメカニズムを抽出し数式化する事が必要です。無駄な機能や対象の現象に対する影響が小さいメカニズムを含んだ数理モデルは、コンピュータのメモリや計算性能を無駄に費やすことで、計算時間や費用が無駄になってしまいます。模型マニアが集める繊細で本物となるべく似せて作る模型とは異なり、対象の現象を再現する機能のみに絞ったシンプルな数理モデルこそ価値があります。

数理モデルを効率よく精度良く解くためにコンピュータの性能は重要です。最近はコンピュータのハード性能が向上し、低価格で高性能なCPU、メモリ、ディスクが比較的低コストで入手可能です。ソフトウェアについても、大規模なデータを扱う事がコンピュータの性能的に可能になり、また、コンピュータ上での計算技術の進歩と、WEB上で計算コードを容易に入手できる環境が整いつつあります。コンピュータ技術の発達に伴い大規模なデータを扱う事が可能になり、数理モデルを用いた詳細な分析や予測が可能となってきました。数理モデルを用いる事でデータの時間変化を記述することができ、コンピュータの計算パワーにより精度の高い解を得られるようになりました。また、数理モデル構築についても、大規模なデータから規則性や背景のメカニズムをコンピュータによる数学的処理により抽出することができます。数理モデルを構築し解を計算する上で、コスト、計算時間、精度のバランスが重要となります。精度については計算した結果を使用する上で実用に十分な精度を確保すれば、必要以上に高い精度を求める必要はありません。数理モデルを必要以上な精度で解くことは、コスト高や工数増加、リアルタイム性が犠牲になってしまいます。また、数理モデルを必要以上の精度で構築すると、学習データに過剰にオーバーフィッティングしてしまい、新しいデータに対する汎化性能が失われてしまいます。意図的に数理モデルのパラメタを現象さえて汎化性能を確保する必要があります。その際、数理モデルの次元を闇雲に落としても数理モデルが劣化してしまうだけになります。そのため、数理モデルの汎化性能を向上させるには、対象となる現象の背景知識が必要になります。

数理モデルは対象の現象を数学的に記述しているので、本体は数式となります。また、数式の中にはパラメタがあり、パラメタはデータから学習により値が決定されます。数理モデルのパラメタ学習には評価関数を用います。評価関数は、数理モデルにより計算された結果と学習データの一致度を示す値を計算する数式です。評価関数の値が最適となり、かつ、数理モデルのパラメタが満たすべき製薬条件をクリアしたパラメタが学習結果となります。数理モデルのパラメタ学習には数学的手法やそれらを応用したツールを用いて行うことができ、コンピュータを用いることで短時間で精度のよいパラメタ学習を実現できます。

数理モデル

経済に対する数理モデル構築については、経済学の知識を応用できます。景気循環モデルや数理ファイナンス等の手法が数理モデル構築に役に立つはずです。数理モデル構築には、対象の現象の特性を織り込む事が必要です。例えばマクロな経済のモデル化では、高周波な動きは少ないので数理モデル構築でそれらの影響が入らないように数式を構築することができます。また、大規模な学習データから対象のメカニズムに対するパラメタを抽出して数理モデルに織り込むことが可能です。全体のデータから得られたメカニズムを個別のデータに展開することで全体と整合性のあり個別データに対応した数理モデルを構築可能です。数理モデルの精度については評価が必要です。そのためには、過去に行った数理モデルによる予測結果と、すでにわかっている正解となるデータとの突き合わせが意味を成します。数理モデルは過去のデータによりパラメタを合わせるため、過去データが変化すると(時間が立つと共に過去データが増えるので)学習されたパラメタが変化し、予測結果も変化していきます。数理モデルの計算には応用数学の知識が役に立ちます。数理モデルをコンピュータ上に実装するにはデータ構造やプログラミングなどソフトウェアの知識を応用、数理モデルの学習に必要なデータ分析には情報工学や機械学習の知識を応用できます。

KHRIでは、経済の数理モデル構築とパラメタ学習結果から、新たな経済メカニズムの抽出を試みています。グローバル化、情報化、人工知能化等により、経済構造は大きく変化しています。数理モデル構築は、それ自体が実際の経済の内部に形成される新たなパターンを抽出する作業に他なりません。数理モデル構築と活用により、グローバルな経済の構造を解明し、数理モデルの応用を通して、人類の更なる発展や生活レベルの向上、経済による世界平和の実現に、KHRIは貢献していきます。

*資料提供:Kids-Hero Research Institute.